みちのく芸能まつり概要

北上市は民俗芸能の宝庫と言われ、伝承活動をしている民俗芸能団体数は日本有数です。8月の 第一金曜から三日間開催される「北上・みちのく芸能まつり」では、街のあちこちで100を越す民俗芸能が披露 されます。(2023年は8月の第一金曜日・土曜日・日曜日の3日間の開催となります。
最も人気のある「鬼剣舞」は、いかめしい鬼(仏の化身)の面をつけた踊り手が勇壮に舞うもので、北上地方に 1300年前より伝わると言われる民俗芸能です。

北上みちのく芸能まつりの”ココ”がおすすめ

民俗芸能の鑑賞を目的に来られる方に是非見ていただきたいのは、JR北上駅前の大通りで開催する民俗芸能公演です。
約500mの道路を8つの会場に分け、100団体を超える民俗芸能を鑑賞することが出来ます。その中でもフィナーレを飾る「鬼剣舞大群舞」では、かがり火を灯して200人の踊り手が一斉に「一番庭」と「刀剣舞の狂い」の2演目を披露します。かがり火に浮かぶ鬼剣舞は、一層激しく荘厳さを増し、その光景は圧巻です。

トロッコ流しと花火の夕べ

北上・みちのく芸能まつりのフィナーレを飾る北上川河畔での花火大会。
さらに花火と同時に開催される370年の伝統ある「トロッコ流し」との共演は、川面を流れるトロッコ「灯篭」と上空の花火のコントラストが魅力です。また、毎年異なる花火のテーマを設定し、そのテーマに沿った花火、音楽、ナレーションの総合演出が花火大会の特徴と言えます。音楽と花火と融合「フルシンクロ創造花火」は芸術的で感動間違いなしです。

主な郷土芸能

鬼剣舞

正式には「念仏剣舞」ですが、鬼の面をつけて勇壮に踊ることから、「鬼剣舞」と呼ばれており、北上周辺に集中的に伝承されています。
その由来は、文献資料のほか口頭伝承されており、諸説あります。大宝年間、役の行者が念仏を広めるために踊ったとか、羽黒山の法師が悪魔退散、衆生済度の念仏踊りとして広めたとか、康平の頃前九年の役の主役である安倍の一族の一人、黒沢尻五郎正任がこの踊りを好み、出陣や凱旋のときに躍らせたと言われています。

鹿踊(ししおどり)

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県内に伝わる「鹿踊(ししおどり)」は県南地方に伝わる「鹿」の字をあてた太鼓系の「鹿踊」と、遠野・県北地方に伝わる幕踊系の「獅子」(一部には「鹿子」)の字をあてた「獅子踊」があります。
太鼓系の鹿踊は宮城県北から岩手県南の旧伊達藩を中心に数多く伝承されており、囃子がなく各踊り手が歌を歌い、太鼓を打ち鳴らしながら2?3mのササラ竹を背負い、獅子頭をいただいて踊るもので、鬼剣舞の「勇壮」「華麗」に対し「重厚」「律動」の芸能といえます。
由来はそれぞれ踊り組によって違いますが、狩人が誤って殺した弔いのためにとか、鹿が野で遊んでいる様子を踊りにしたとか言われています。農耕儀礼、豊年予祝、先祖供養のために踊られ、山伏修験道が奉じた権現様の威力のお助けを加えて出来たものではないかと言われております。

神楽

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神に捧げるこの芸能は全国のいたるところにその地方により独自のものをあみ出したり、その種類は数限りがありません。岩手には山伏修験道により伝わった「山伏神楽」、山伏神楽の流をくみ農民の間に広まった「大乗神楽」、神道の社家神職により伝わった「社風神楽」、旧伊達藩内の農民の間に起こった「セリフ神楽(南部神楽)」そして、神道と関係なく町民芸として伝わった「江戸舞神楽」がありこのほか代神楽の「太神楽」が伝わっています。諏訪神社の境内の特設舞台での神楽公演をゆっくりごらんください。